
カオスの縁に立つ男 - 三部作と知って「Helplles」「ユリイカ」も観ましたが、また趣向が違う。ちなみに「Helplles」は衝撃的。「ユリイカ」は時間が長すぎて疲れました。今回はそれらに比べラフな感じですが、しっかり、丁寧に人間の内面、本質を衝いてきている。青山監督グットジョブっす!憎しみ、悲しみ、暴力など負の要素は盛りだくさんですが、湿っぽい哀しいお話ではありません。負の感情の対極となっている部分が”ふわっ”と表現されていたり、やはり母は何枚もウワテという終わり方が後を引かなくて良かったです。全体的にセリフは少ないけれど「間」がまるで小説を読んでいるような…。主人公は憎み続けてきた母の大きすぎる母性に圧倒されて混乱・錯乱してしまうが、もし主人公が女子だったらそれはあり得ない話で、男性が作った映画である故に、内容にはとてもリアリティを感じさせるものがある。「マザコン」に匹敵する男性の新たな一面を垣間見た。ともかく、「血のつながりは切っても切れない」、「母は強し」ということを再認識し、「男はそれでも女を求め続ける」という人間の悲しい性に愚かさを感じた。主人公ケンジ演じる浅野忠信が「いい」の一言に尽きます。売られそうになった中国人の子供を引き取って育てたり、サエコに告白するシーンなど、感情豊かな優しい性格を持つ反面、暴力を実行してしまう衝動的な性格も併せ持つ、そんな矛盾だらけのケンジを演じきっている。強く求めるがゆえ、願い通りにいかず憎む。それが母なるゆえーーー母に叶わなかった夢は恋人や妻に重ねるのでしょうね。きっと・・・。
思わず自分の居場所について考えてしまった映画です。 - 何を言えばいいのかと思ってしまった映画です。こんなに犯罪がすぐ傍に横行している場所での人々については語るには言葉が見つかりませんでした。また、何がこの映画をまた原作を創作させるのだろうと考えさせられた映画でした。 しかし、普通の市民生活を送る私に当てはめて考えてみれば「ハッと」するものを感じさせられました。そういう風にこの映画を鑑賞すれば、日常生活がとても大事なものだと振り返ることが出来る大事な作品かなと思います。
単品で観ると謎が残る作品 - キャストが無駄に豪華だなと思ったら前2作のキャストで、今作がその完結編だったんですね。これを見る前に前2作を見ておかないと「なんだ?この映画」と思ってしまうでしょう。実際そうでした。そして、なんと言っても残念なのが音声出力が小さく、普通の音量だと何を言ってるのか分からないところです。邦画は普通でも演者によっては聞き取りづらいのに、さらに小さいので音量を上げがちになってしまいます。なので、見終わったときに忘れずに音量を下げておかないとびっくりすることになります。
無駄なシーンが多い - セリフが聞き取りにくかった。ステレオの音量をかなり上げても俳優たちが喋っている言葉がくぐもってしまいわかりづらい。効果音などとの比較から録音の技術の低さが目立ちます。 一度家族を捨ててしまった母の償い、それを聞き入れられず復讐に駆り立てられてしまう息子健次。この二人の物語ではないでしょうか。登場人物が無駄に多いのが気になりました。複雑な過去を抱えたキャラクターたちが多数登場するのに焦点が当てられるのはごくわずか。136分もあるのだからもっと幅広く物語を語れたのではないかと疑問を感じてしまいます。
自己満足映画 - 久しぶりに最低な映画を見てしまった。鑑賞後にこの映画が三部作の第三弾だと知った。ものすごく不親切な映画である。この映画を見ただけでは宮崎あおいやオダギリジョーが出てきた意味がまったくわからないし、本編のストーリーには何の影響も与えていない。監督の頭の中ではすべてがつながっているのかも知れないが、それを観客にわからせようという意図がまったく感じられない。自分だけがわかっていればよいとでもいうのだろうか。それとも意味を知りたければ前二作を見ろというのか?それだったらはじめから「サッドヴァケイション」なんて独立したタイトルをつけるのではなく「〜〜3」とかつければいい。この映画を単独の映画として評価するなら駄作と断言せざるを得ない。よくあれだけ芸達者な俳優達を集めてこんなにつまらない映画が作れるものだ。まさに宝の持ち腐れである。前二作を見たら評価も変わるかもしれないが、この監督の作品は金輪際見るつもりはない。