
不安定な2時間がゾクゾクさせる。パワーある映画。 - まず冒頭から血糊ベッタリの展開にビックリさせられる。基本的にはこの嫌な感触のまま、2時間が走り抜ける映画で、昨今にはない魅力にあふれている。登場人物のすべてがどこかおかしい、というのも不安定感に輪をかけるのだが、特に佐藤江梨子と佐津川愛美の関係は芝居だとわかっていてもドキドキした。なぜ澄伽(佐藤)は妹の清深(佐津川)をあんなにジメジメといじめるのか。中盤までは澄伽の暴走ぶりばかりが目立つが、実はコトの発端は清深にあったりするので、最後まで目が離せない。風呂場での熱湯いじめなどはホラー映画かと思ってしまうぞ(笑)。また永瀬正敏演じる宍道が澄伽に頭が上がらない理由や、宍道の嫁・待子(永作博美)と関係を持たない理由に至っては、金田一シリーズのような謎解きで、これまたビックリさせられる。とにかくわけのわからない脚本で(誉めてます)、他に類を見ない作品だと思う。もっと笑える映画かと思っていたが、ブラックな笑い満載で不安定さに拍車がかかるし。携帯も通じない山奥の話というのも閉塞感たっぷりで、突っ走る2時間を堪能してほしい。パワーある作品です。
不思議ワールド系 - まるで梅図かずおの世界。でも永作、サトエリは可愛かったな。ストーリーは不思議ワールド系。映画館で見なくて良かった。
一つ - 三人のタイプの違う女性の猥雑な人間模様がたまらなかったです。 引き付けるものが一つあれば、それが全体に滲み出ておもしろくなっていくんですねぇ。 やはり゛真剣、懸命゛に外れている、だからこそ笑えるのですね。
他のどの映画とも似ていない不思議な映画 - 山間の農村。事故死した父母の葬式に東京で「女優修業」中の娘(佐藤江梨子)が帰ってくるところから物語は始まる。上京して「成功」した村人の帰還、「都会人」と農村の人々との対比。コメディ映画の導入部としてはきわめて常套的である。『カルメン故郷に帰る』を思い出す人もいるだろう。しかし、その後の展開は破天荒で、他のどの映画とも似ていない不思議な映画になっている。 自己中心的な妹に対してなぜか強く出ることができない兄(永瀬正敏)とその妻(永作博美)、姉の理不尽な暴力と暴言に耐え(ているように見え)る妹(佐津川愛美)。いずれの人物も観客の共感を寄せつけないいびつな個性をそなえており、それでいてどこか憎めない人間味をたたえている。これは原作が舞台劇の脚本であることとも関係があるのかもしれない。ある人物の視点に立てば物語は悲劇以外の何ものでもないが、別の人物の視点に立てばまったく別のジャンルの劇にも見える。それらを総合すると、アイロニーのほろ苦さが際立つ一編の「人間喜劇」として立ち上がってくる。 時にグロテスクで俗悪な道具立てに惑わされるかもしれないが、根本にあるヴィジョンというか物語世界を支えている世界観はほとんどチェーホフを思わせる、と言えば褒めすぎだろうか。
最高にムカつく映画 - ここまでムカつくとかえって清々しいかもしれないです。ムカつく姉貴、シスコン兄貴、言いなりのお嫁さん。何もが馬鹿らしい。馬鹿らしいのに、愛しい家族。歪んだ世界が癖になる。陰気な妹が観客の代わりに、全部を切っていく。才能のない姉、才能のある妹。『お姉ちゃんは最高に面白いよ』おどろおどろしくても目が離せない。